お祝い花といえば胡蝶蘭と言われるほど、就任や昇進、移転、お店の開店祝いなどのビジネスシーンや結婚祝いや出産祝い、誕生日祝い、母の日の個人への贈り物まで、お祝いに贈る花といえば胡蝶蘭が定番となっています。
お祝いの際に贈ることが多い胡蝶蘭だからこそ、贈る相手に悪い印象を与えたくないもの。 実は胡蝶蘭を贈る際に気をつけなくてはいけないマナーやタブーが存在するのです。
贈るタイミングや時間帯、細かい気配りなど相手のシーンにあわせた贈り方で胡蝶蘭を贈りましょう。
相手のシーンにあわせた贈り方
奇数の本数を贈る
日本では昔から奇数は縁起がいいと言われており、胡蝶蘭に限らず様々なところで奇数が使われてきました。特にお祝いごとの場合「割れない数」として使われることが多く、胡蝶蘭の場合も本数を奇数に揃えることが多いです。もっとも多いのは3本立ての胡蝶蘭、さらにゴージャスにしたいときには、5本立てを利用しましょう。
胡蝶蘭を贈るスペースと大きさ
胡蝶蘭の鉢植えはそれなりの大きさになるため、それを置けるだけのスペースが必要なります。 エントランスのあまり大きくないオフィスや軒先にスペースのないお店などでは置き場所に困り、逆に悪い印象を与えてしまうこともあります。事前にスペースの確認や相手へ連絡して確認することが大切になります。
もし鉢植えの胡蝶蘭を置ける場所がない場合は、受付の上や棚などにおけるサイズの方が喜ばれます。
胡蝶蘭の相場
贈るシーンに応じて胡蝶蘭の相場はこのようなものが一般的です。 心配な場合はワンランク上の胡蝶蘭を選んでおけば問題ないです。
会社関係の場合
- 一般的:3万円程度
- 大企業:3万円〜5万円程度
- 昇進・就任:3万円〜5万円程度
- 上場祝い:3万円以上
個人の場合
- 友達や恋人へのプレゼント:3千円〜1万5千円程度
- 知人へのお祝い:2万円?3万円程度
- 家族や親戚へのお祝い:2万円〜5万円程度
贈る時間帯
お届けするのは当日の午前中が一般的ですが、当日は何かと忙しい場合もあります。 その場合は、イベントの1週間前?前日までに贈るのがよいとされています。相手の状況がわからず悩んだ際は相手に連絡し、事前に相談しておくとよいでしょう。
お祝いするタイミングが遅れたらどうすればいいの?
お祝いごとを知るのが遅くなり、手配するのが遅くなってしまった! そんなときは、「祈御発展」として贈るのがよいとされていますので、表書きに「祈御発展」にして贈りましょう。
胡蝶蘭の種類
胡蝶蘭の花の大きさは、大輪・中輪・小輪の3種類があり、大きいほど華やかで特別感があります。ビジネスシーンでは、白の大輪がよく選ばれます。最近だと白と赤がまじった色の紅白の胡蝶蘭や化粧蘭と言われる白い大輪の胡蝶蘭の花びらに文字やイラストを印刷したものも選ばれるようになりました。
個人のお祝いには、設置スペースの都合上、中輪や小輪の場所をとらない胡蝶蘭がよく選ばれます。色や花の本数などは個人の好みにあわせて選んであげるとよいでしょう。
胡蝶蘭の色
一般的に白の胡蝶蘭を贈ることが多く、胡蝶蘭=白のイメージが強いかと思いますが、 胡蝶蘭には赤(ピンク)、黄、紫・・など、白以外の色の選択肢があり、色々な色が混ざったミックスと言われるものや珍しい青色などの色もあります。 それぞれ色にあったシーンにあった胡蝶蘭を選ぶことができるので、相手にあわせてシーンをイメージしながら選ぶとよいです。
供花の場合は色に注意
ただし供花の場合は注意が必要です。四十九日前と四十九日以降で選ぶ色が変わってきます。
供花とは葬儀や告別式の際に、故人のために供える花で、祭壇に飾られる生花のことです。
基本的には白基調の胡蝶蘭を贈れば宗教の違いがあったとしても、問題ないと思われます。 四十九日以降は淡い色合いのものや故人のイメージにあった色、好きだった色など故人にあわせた色を選ぶとよいでしょう。
立て札は必ずつける
たくさんの頂き物が並んだとき、立て札があれば誰から宛てられたものか分かりやすくなります。
就任祝い・昇進祝い、開店祝い・開業祝いなどのお祝い花、お葬式などに贈る供花・お悔やみ花など、お花にはそれぞれのシーンに合わせた内容の木札やメッセージカードをつけて贈るのがマナーです。
ビジネスのお祝いの場合は特に、自社の企業名のアピールに効果的です。
基本的にビジネスシーンにおいて胡蝶蘭を贈る場合は立て札を使用します。誰が贈ったものか一目でわかるように「お祝い文言+贈り主名」、または「お祝い文言+贈り主名+贈り先名」を記載します。お悔やみ花の場合は「お悔やみ文言+贈り主名」を記載します。
親族や友人に贈る場合は、メッセージカードに気持ちを込めて贈った方が喜ばれます。
気をつけておきたいタブー
マナーを押さえたあとはタブーもチェックしておきましょう。
赤一色はNG!
赤一色の胡蝶蘭は、赤字や火事を連想させるため選ばないようにしましょう。赤色を入れたい場合は白色が入っている紅白のものを選ぶようにしましょう。
お見舞いには贈らない
鉢植えの胡蝶蘭を贈ってしまうと、「根づく」というイメージが「寝付く」という意味を連想させ、お見舞いの品物として適切ではありません。「病院に寝付いてください」「いつまでも退院しないでください」などと、誤解させる場合があります。
送る側がそういうつもりで贈ったわけではなくても、受け取った側がそのように受け止めてしまいかねません。避けたほうが無難です。
その他胡蝶蘭を贈らない方がいいときは?
お祝いのシーンによっては、お祝いに胡蝶蘭を贈らない方が良い場合があります。
・開院祝い 花粉が少ないとはいえ、アレルギーの原因となりうる花粉や花についた微生物に衛生上の問題があることから、お祝いの生花全般を好まなかったり、断られるケースがあります。
・小規模なお店の開店祝い 広くないお店の「開店祝い」に大きな胡蝶蘭を贈ると、置き場所がなく迷惑になってしまう場合があります。お祝いを贈る相手の状況や場所に合った胡蝶蘭を選ぶようにしましょう。
立て札に記載する宛名を確認しましょう
立て札は相手に気持ちを伝える大事なアイテムでもあり、誰が贈ったのか一目でわかるようになっています。そのため誤字脱字などの間違いがあってはいけません。伝え間違いがないか、パソコン上で発注する場合は打ち間違いがないか、何度も確認したり、自分以外の人が近くにいる場合は2重チェックしてもらうなど、細心の注意を払って対応するようにしましょう。
昇進・就任・昇格・栄転の違いに注意!
間違った名称でお祝いを贈らないように、まずは意味の違いをしっかりと理解して、それぞれにあった胡蝶蘭を選びましょう。
昇格
組織内の職能資格制度において、現在の資格(等級)から上位の資格(等級)に格付けが上がることです。つまり社内だけで運用されている自分の能力を判断されるシステムのなかでの評価があがることなので、目にみえた変化がない場合もあります。
例)課長1等級→課長2等級
昇進
現在の職位より上位の職位に上がることで、組織内における役職などのポストの順番が上がったことを意味します。一般的に多い職位の順位は下記のようになっています。
主任→係長→課長→次長→部長→本部長、事業部長→常務→専務→社長→会長 会社によっては、課長クラスを「リーダー」、部長を「マネージャー」といったように、別の名前で置き換えていたり、自社オリジナルな呼び方に変更しているところも最近は多くなってきました。
就任
昇進の中でも、役員以上に昇進することをいいます。 また外部から部長などのクラスで招聘された場合に使われることもあります。
例)取締役・代表取締役・執行役員など
栄転
昇進・昇格の中で転勤を伴うものをいいます。 昇進・昇格祝いの胡蝶蘭の鉢植が人気が高く、その中でも3本立ち(3万円程度)が最も人気があります。胡蝶蘭の鉢植は5本立ちや10本立ちなどがあります。
意外と知らない胡蝶蘭の基礎知識について紹介しました。次に、胡蝶蘭の贈り方や管理の仕方、育て方をご紹介します。
胡蝶蘭は、きちんとお世話すればとっても長くキレイなお花を咲かせてくれますよ。